- 六相表
ホモトキシコロジーは医学におけるサクセスストーリの一つです。本来はホメオパシー薬剤の優れた有効性を解明するために考案されたこの治療モデルが、包括的な疾患理論にまで発展を遂げました。
ホモトキシコーシス(ホモトキシンによって引き起こされる状態、いわゆる疾患)の六相表は、はじめレクヴェク博士によって開発され、後にさらに詳細な形へと深められました。六相表は、細胞内マトリクスにどの程度ホモトキシンが溜まり詰まっているか、その《詰まり》具合と、それに付随して発生する健康状態の間の相関関係を示した座標軸です。
表の縦6列は、左から右にかけて毒素負荷が増加する推移を示し(垂直軸)、それと相関して毒素負荷によって引き起こされる各臓器の障害(水平軸)が身体の外側の器官から内側の器官へと、上から下に向って列挙されています。疾患の進行《進行性代償作用》は表を左から右へ、疾患の改善《退行性代償作用》は右から左に向います。
表左側の体液相では、身体は炎症を以って反応し、同時に体液の除去が盛んになります。マトリクス相では、損傷がさらに根深いところに発生しており、抗ホモトキシン療法のような外界からの助けなくしては退行性代償(疾患の改善)がもはや不可能な状態に陥ります。細胞相では、永久的な細胞損傷が顕実になります。
現在の六相表は、日常的に診断されることの多い疾患が掲載されています。
体液相 | マトリクス相 | 細胞相 | |||||
器官系 | 排泄相 | 炎症相 | 堆積相 | ![]() |
浸透相 | 変性相 | 脱分化相 |
皮膚 | 発汗症 | 座瘡 | 母斑 | アレルギー | 強皮症 | 黒色腫 | |
神経系 | 注意集中困難 | 髄膜炎 | 脳硬化症 | 偏頭痛 | アルツハイマー病 | Gliosarcoma | |
感覚系 | 涙目 耳漏 |
結膜炎 中耳炎 |
霰粒腫 真珠腫性中耳炎 |
虹彩毛様体炎 耳鳴 |
黄斑変性症 無嗅覚症 |
黒内障 悪性腫瘍 |
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運動器系 | 関節痛 | 上顆炎 | 外骨腫 | 慢性リウマチ様関節炎 | 変形性脊椎症 | 肉腫 軟骨腫 |
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呼吸器系 | 咳 痰喀出 |
急性気管支炎 | 珪肺症 喫煙者肺 |
慢性(閉塞性)気管支炎 | 気管支拡張症 肺気腫 |
気管支癌 | |
心血管系 | 機能性心疾患 | 心内膜炎 心膜炎 心筋炎 |
冠状動脈心臓病 | 心不全 | 心筋梗塞 | 内皮腫 | |
消化器系 | 胸焼け | 胃腸炎 胃炎 |
過形成性胃炎 | 慢性胃炎 消化吸収障害 |
萎縮性胃炎 肝硬変 |
胃癌 大腸癌 |
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泌尿生殖器系 | 多尿 | 尿路感染症 | 膀胱結石 腎結石 |
慢性尿路感染症 | 腎萎縮 | ガン | |
血液 | 網赤血球増多症 | 白血球増多症 化膿 |
多血症 血小板増加症 |
凝血障害 | 貧血 血小板減少症 |
白血病 | |
リンパ系 | リンパ浮腫 | リンパ管炎 扁桃炎 リンパ節炎 |
リンパ節腫脹 | リンパ系の不全 | 線維症 | リンパ腫 ホジキン/非ホジキンリンパ腫 |
|
代謝 | 電解質の変化 | 脂肪代謝障害 | 痛風、肥満 | 代謝症候群 | 真性糖尿病 | 遅い反応 | |
ホルモン系 | Globus sensation |
甲状腺炎 | 甲状腺腫 腺腫 |
甲状腺機能亢進症 グルコース不耐症 |
閉経症状 | 甲状腺ガン | |
免疫系 | 感染症への感受性 | 免疫系の衰弱 急性感染症 |
乏しい反応 | 自己免疫疾患 免疫欠損症 慢性的感染症 |
エイズ | 遅い反応 | |
変化* | 反応(応答)* | 固着* | 慢性形* | 欠陥* | 遮断(分離)* | ||
精神系 | 機能性精神障害 ≪神経質≫ |
反応性抑鬱症候群 多動性障害 |
心身症の発現 神経症 恐怖症 抑うつ神経症 |
内因性うつ病 精神病 不安神経症 器質性精神症状群 |
精神分裂病の欠陥状態 精神薄弱 |
躁病 緊張型分裂病 |
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Biological Division(生物学的分割線)![]() |
上記「Progressive vicariation」は「進行的代償反応」、「Regressive vicariation」は、「退行的代償反応」 注記: 六相表は入念な観察と経験的学習により得られた医学的経験を反映するフィールドマトリクス(field matrix)である。各相に相互に直接関連性のない疾患が配置されている。疾患間には病原的関連性を有する因果関係は推測できない。表の構造上、代償作用の可能性を評価する上で予測体系の確立に適する。 *心理学における相の学名。 |